iDeCo(イデコ)の基礎知識!個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金の違い

iDeCo(イデコ)に興味を持った方が「確定拠出年金ってどんな制度だろう」と詳しく調べようとすると、よく「確定拠出年金の種類」に突き当たります。iDeCoこそが確定拠出年金だと思って調べた方は「個人型ってなに?」「企業型ってなに?」と頭がくらくらしてしまうのです。

iDeCoには種類があるのでしょうか。それとも、確定拠出年金の個人型や企業型は、iDeCoとはまったく違った制度なのでしょうか。iDeCoをこれからスタートする方や、興味を持ちはじめた方が知っておきたい、意外な落とし穴知識「確定拠出年金の違い」についてお話しします。

せっかくiDeCoをスタートするなら、基礎知識を覚えて、より有効にiDeCoを活用してしまいましょう。

 

■確定拠出年金には「個人型」と「企業型」がある

 

iDeCoとは「確定拠出年金」のことです。確定拠出年金とは、国民年金や厚生年金のように、国の施策として年金保険料が徴収されるタイプではなく、「自分で加入を決めて自分で保険料を支払う」タイプの年金になります。基本的に手続きもお金も、ほとんどが「自分」ですから、金融機関やお金の情報誌などでは「じぶん年金」とも呼ばれています。あくまでも「自分が主体」であり、「自分が主人公」なのが、確定拠出年金の特徴です。

この確定拠出年金には、2つの種類があります。「企業型確定拠出年金」と「個人型確定拠出年金」の2つです。iDeCoに興味を持ったばかりの方は、この2つの種類に突き当たり、「何だこれは?」となるのではないでしょうか。iDeCoはiDeCoだと思っていたのに、いきなり出鼻をくじかれたような気分になるかもしれません。

iDeCoを使いこなすには、基礎知識として、簡単に2つの確定拠出型年金の違いについて知っておきたいものです。名前は難しいですが、iDeCoを使う上で知っておきたい違いは、さほど難しいものではありません。

 

■個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金の違い

 

確定拠出年金の「個人型」こそが「iDeCo」です。iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称として、公募によって決まりました。iDeCoという名前を耳にしたら、とりあえず個人型の確定拠出年金を頭の中に思い浮かべてください。

 

個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金には、次のような違いがあります。

1、加入ルートが違う

個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分の意思でiDeCoを扱っている金融機関に申し込みます。基本は「自分」です。対して企業型確定拠出年金は、各企業が導入します。企業型の場合は、会社が導入を決めると、社員は任意加入するのではなく、原則的に全員が加入することになります。また、規約で要件を定めている場合は、その規約に基づいての加入となります。つまり、企業型の場合は、「企業の決めた枠の中」で「企業を通して」手続きをするわけです。

個人型は「自分で決めて自分で申し込み」します。

企業型は「会社が導入して原則的に全員が加入(規約で要件を定める場合あり)」します。

個人型と企業型には上記のような違いがあります。企業型確定拠出年金は勤め先の会社が深く関わりますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合は、基本的に「自分が全て決めることができる(自分が主人公)」というわけです。

 

2、お金(掛け金)を出すお財布が違う

個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合、iDeCoに加入を決めた本人か確定拠出年金の掛け金を拠出します。掛け金が出て行くのは自分のお財布からです。対して企業型確定拠出年金は、基本的に掛け金を企業側が負担します(社員が掛け金を上乗せして拠出するケースもあります)。企業型では、掛け金が出て行くのは企業のお財布からであるという特徴があります。

個人型は「加入した本人が掛け金を負担」します。

企業型は「導入した企業が掛け金を負担(社員が上乗せするケースあり)」します。

個人型と企業型の、掛金の出所の違いを知っておきましょう。掛金の面で見ても、iDeCoは「自分が主役」になります。

 

3、掛け金の経理や控除の違い

個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合、拠出した掛け金は所得控除の対象になります。確定申告などの手続きにより、税金の還付を受けられたり、税金負担が軽くなったりします。企業型の場合、企業は拠出した掛け金を損金として経理処理します。

個人型は「個人で確定申告などの手続きをして控除等を受ける」ことになります。

企業型は「基本的に企業側が経理処理する」ことになります。

個人型と企業型には、上記のような違いがあります。個人型の確定拠出年金は「手続きは基本的に全部自分」という特徴があると覚えておきましょう。

 

4、掛金の支払方法の違い

個人型確定拠出年金(iDeCo)では、掛金は口座引き落とし契約をする等により、自分が支払います。電気料やスマートフォン代、水道料金のようなかたちで口座引き落としされると考えればわかりやすいです。

企業型確定拠出年金の場合、企業が掛け金を支払います。企業から掛金相当分を受け取って自分で払い込みをするのではなく、企業側で加入者分を納付します。国民年金や厚生年金の保険料が自動天引きされて、何時の間にか納められていることと同じような感じです。

個人型は「口座引き落としなど、自分自身の口座から支払う」ことが基本になります。

企業型は「会社側が何時の間にか納付してくれている」ことになります。

個人型と企業型には掛金支払方法の違いがあります。水道代と年金保険料の徴収の違いを想像してみるとわかりやすいのではないでしょうか。

 

5、退職資源と自分資源の違い(資産設計の違い)

企業型の確定拠出年金は企業の退職金資源確保の目的もあります。確定拠出年金を取り入れることで、企業と社員が一体となって、社員の退職金を作るわけです。対して個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合は、企業の退職金資源とは別物です。自分の意思で用意する老後資金がiDeCoなので、企業側は社員のiDeCoとはまったく別物として退職金の対策をすることになります。

個人型は「あくまで自分の老後のためという目的(自分の年金を作るためという目的)」です。

企業型は「退職金の対策を目的として導入されること」もあります。

どちらも個人の老後資金のためという目的がありますが、企業が導入する場合は企業の退職金確保を目的の1つにしている場合があります。

 

6、加入の意思は自分次第

企業型確定拠出年金は、会社が導入し、基本は社員が全員加入することになります(規約などにより条件を定めた場合はこの限りではありませんが)。対し、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入は任意になっています。

皆さんの中にiDeCoの勧誘を受けたことのある方はいても、国の施策だからと強制加入しなさいと言われた経験のある方はいないのではないでしょうか。iDeCoを自分の将来資金作りに活用するかどうか、加入するかどうかは、完全に「自分の意思に任せられている状態」になります。

特定の会社や団体で「うちは企業型を導入するから加入をOkして欲しい」と言われるのが企業型で、自分自身で色々な金融機関を見比べて「個人の自由意思で決める」のが個人型になります。

 

7、給付方法の違い

個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型確定拠出年金は、いざ受取となった段で給付方法が異なる場合があります。

個人型の場合、年金として受け取る方法が1つ。それと、一時金として受け取る方法があります。対して企業型の場合は受け取り方を規約に定められた方法の中から選択する必要があります。また、個人型は掛金を拠出した時から受給権が発生しますが、企業型の場合は勤続年数3年以上など、一定期間務めることで受給権が発生することが基本になります。

同じ確定拠出年金ではあるのですが、個人型と企業型では受け取り方や受給権が微妙に異なっています。

 

 

■個人型と企業型に同じところは「運用」を自分で指示するところ

 

企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金は、同じ確定拠出年金というくくりですが、簡単に挙げるだけで7つの違いがあります。さらに、個人型確定拠出年金には「iDeCo」という愛称があることを考えると、簡単な違いだけで8つになる計算です。

ここで疑問です。個人型と企業型には違うところがあります。では、同じところはないのでしょうか。同じ確定拠出年金と呼ばれる仲間同士です。似ているところもあるのではないかと思ってしまいますね。ご想像通り、個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金には共通している部分が2つあります。

 

1、退職後のお金の設計に役立つ

個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型確定拠出年金は、どちらも老後の生活をフォローしようという目的があって作られました。給付の方法や掛金の拠出方法は異なりますが、どちらも「会社を退職した後のお金」として、老後生活の設計の柱になるような存在です。細かな違いはありますが、大きな目的である「老後のため」という点は、個人型確定拠出年金も、企業型確定拠出年金も、同じです。

2、運用は「自分」で行う

個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型確定拠出年金の掛金の運用は、どちらも加入者である「あなた」が行います。個人型、企業型ともに「〇%」というかたちで運用商品それぞれに掛金を振り分け、自分の考え方に合わせて運用の指示をすることになります。

よく企業型では「掛金は基本的に企業が出すのだから、運用の指示も企業が出すのでは」と思う方がいるようです。しかし、企業型確定拠出年金はあくまで企業が社員の福利厚生などを考えて導入するもので、最終的には「社員の老後を助けるためのもの」です。「定期預金にもっと割合を割こう」や「投資信託で利益を出したいから、もっと投資信託に割合を多くしよう」などの運用指示は会社のがするのではなく、社員個人個人が行うことになります。

基本的に個人で「老後のお金の対策がしたいな」と考える場合は、色々な金融機関のiDeCoを見比べて、自分が「いいな」と思った金融機関でiDeCoを契約することになります。運用の指示については、iDeCoも企業型と同じです。

そもそもiDeCoは自分の意思で加入する個人型の確定拠出年金ですから、会社が運用や掛金拠出に口出しすることはありません。もちろん、運用指示は加入者である自分自身が考えながら行います。個人型と企業型は違っている点もありますが、「運用するのは自分である」という点は共通しています。

 

■iDeCoの特徴を知ってシニアプランニングを

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)の主役は「自分」です。手続きから掛金の給付まで、全てが「自分」になります。加入を決めるのも、運用の指示を出すのも「自分」なので、「じぶん年金」とはそのものズバリという表現ではないでしょうか。

企業型確定拠出年金は「企業」が導入を決め、「企業」が掛金を拠出します。しかし、運用の指示を出すのは「自分」です。iDeCoの主役がどこまでも自分なら、企業型確定拠出年金の主役は、自分でありながら、隠れた主役としいぇ企業がちょこちょこ顔を出すという感じです。同じ確定拠出年金でも個人型と企業型には違いがありますので、注意が必要です。

個人型と企業型には「運用指示は自分自身」という共通点があります。ここで「2つは違うところも多いけれど、運用については同じなのか。へー」で終わっては、もったいないというものです。運用は自分自身でという共通点があるのですから、今後のiDeCoや公的年金を含めた老後資金の計画を立てるために、運用方法についての基礎知識もどんどん吸収していくことが望ましいと言えます。

まずは初心者が迷いやすい「個人型と企業型ってなに?」「どこが違うの?」を明確にして、そこからiDeCoの具体的な内容や、資産運用の基礎知識についてスタートしてみてはいかがでしょうか。

 

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