法定相続分のあの《分数》!相続の基礎について知っておこう③

相続分の計算問題です。

次の相続ケースにおいて、それぞれの相続人の相続分はいくらになるでしょうか。

Cさんが亡くなりました。Cさんに子供はいません。Cさんの両親は亡くなっています。Cさんの奥さんは健在です。他にはCさんの弟が一人います。預金400万円が遺産だった場合、妻(配偶者)と弟それぞれの相続分はいくらになりますか?

・第一順位の相続人 亡くなった人の子供

・第二順位の相続人 亡くなった人の両親

・第三順位の相続人 亡くなった人の兄弟姉妹

・配偶者は必ず相続人になる

 

以上の相続の基礎知識をもとに計算してみてください。今回使う分数は、配偶者(奥さん)が3/4で、兄弟姉妹(弟)が1/4です。

■法定相続分の分数計算に挑戦!配偶者と兄弟姉妹のケース

 

祖父
「どうだい、B太君。計算できたかな?」
B太
「ちょっと待って・・・できた!奥さんが3/4だから300万円、弟が1/4だから100万円だね?」
祖父
「大正解!」
祖母
「凄いわ、B太君!」
祖父
「じゃあ、この調子でもう一問解いてみよう。『同じ相続ケースで、遺産の額も同じ。ただし、Cさんには存命の弟が二人と妹が二人います』この場合の相続分はいくらになるかな?」
B太
「奥さんと、Cさんの弟が二人と妹が二人だね。使う分数は同じなの?」
祖父
「ああ、まったく同じで、奥さん(配偶者)が3/4で、兄弟姉妹が1/4だよ。さあ、B太君は答えが出せるかな?目指せ100点だぞ!」
B太
「これも子供が二人いた場合と、両親が二人でわける時と同じようにすればいいんだね。四人で、1/4の額をさらにわければいいんだ。だから、一人25万円」
祖父
「正解だ。すっかり相続分の計算が得意になったな、B太君」
祖母
「お父さんのせいですね」
祖父
「『せい』とは何だ『せい』とは」
祖母
「だって、B太君は別に相続の知識を深めたかったわけでも、相続分の計算をマスターしたかったわけでもないでしょう。次のテストで100点を取るために分数の勉強をしたかっただけじゃないですか。それをお父さんが相続の話と結びつけるから」
祖父
「別にいいじゃないか。何だって知っていれば役に立つこともある。分数の勉強もできて一石二鳥と考えようじゃないか」
祖母
「自分だったら『駄目じゃないか』なんて言うくせに」
B太
「おばあちゃん、僕、分数の勉強になったから気にしてないよ」
祖父
「B太君・・・!」
祖母
「もう、B太君はおじいちゃんに甘いんだから。どら焼きより甘いわ」
祖父
「B太君は優しいなあ。それに、何時だっておじいちゃんの味方をしてくれるもんなあ。いやあ、嬉しいな」
祖母
「じゃあ、そんなおじいちゃんが100点取れるかテストしてみましょう。相続のお勉強をしたというんですから、相続の知識ではばっちり100点取れるんですよね?B太君、今度はおばあちゃんと一緒に問題を出す側の先生役をしてちょうだい。ね?」
B太
「うん、任せて!」
祖父
「おいおい。何だか妙な話になったなあ」
祖母
「最初に分数の話から相続の話にしたのはお父さんじゃないですか。さあ、B太君みたいにテストで100点取れるかしら?」

 

■相続人の組み合わせで分数が変わる!おさらい

ここでおさらいしておきましょう。おじいちゃんとB太君が解いていた相続分の計算という相続の基礎知識のおさらいです。

法定相続分を計算する場合、B太君がしたように分数を使って相続分の計算をします。計算に使う分数はどの順位の相続人がいるかという組み合わせによって変わってきます。

代表的なケースはB太君とおじいちゃんが計算に使いました。この分数の計算は相続知識の中でも基本中の基本で、代表的なものです。だからこそ多くの人の頭の中には「相続の計算は分数を使う」という印象があるのでしょう。代表的な分数も合わせておさらいしましょう。

①子供一人のみ、配偶者のみなど相続人が一人しかいないケース

子供または配偶者、兄弟姉妹、両親などの相続人に該当する人が一人しかいない場合は分数を使って相続分の計算をするまでもありません。なぜなら、相続人はたった一人しかいないわけですから、たった一人の相続人が全て遺産を受け継ぐしかないからです。分数が関わらない単純な相続ケースです。

②配偶者と子供が相続人になるケース

配偶者が1/2で、子供が全員合わせて1/2になります。子供が二人いれば1/2を二人でわけ、三人いれば三人合わせて子供の取り分である1/2になります。500万円の預金が遺産だとすれば、配偶者が250万円になります。子供が一人なら250万円で、二人なら125万円になります。

③配偶者と被相続人の両親が相続人になるケース

このケースでは、配偶者が2/3で両親が二人合わせて1/3になります。例えば預金900万円が遺産だとすれば、配偶者は600万円が相続分になります。両親は合わせて300万円が相続分になります。お父さんもお母さんも被相続人が亡くなった時点(相続が発生した時点)で存命なら、150万円ずつが相続分になります。片方だけが存命の場合は存命のお父さんないしはお母さんが300万円を相続します。

④配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になるケース

このケースでは、配偶者が3/4を相続し兄弟姉妹が合わせて1/4を相続することになります。例として預金800万円が遺産だとすると、配偶者が600万円を相続し、兄弟姉妹が合わせて200万円を相続することになります。兄弟姉妹が二人いれば合わせて200万円なので、100万円ずつになります。

 

■不動産の相続分はどうなるの?分数の疑問

 

祖母
「じゃあ、奥さんと亡くなった人のお母さんと、亡くなった人の妹がいた場合、相続人はどうなるかしら?さあ、お父さん答えられる?」
祖父
「その場合は、奥さんと亡くなった人のお母さんが相続人になる。引っかけなのは、相続順位だ。相続順位は法律で定められた相続人の中でも、誰が優先的に相続できるかというものだ。この中で配偶者はどんな相続でも相続人になるから、まずは奥さんが相続人だ。後は第二順位の相続人である亡くなった人のお母さんだな。妹は相続人になれるんだが、優先順位の高い相続人がいるから、今回のケースでは相続人にはならない」
祖母
「正解。それじゃあ、相続分の分数は?」
祖父
「これは奥さんと亡くなった人の両親が相続人になるパターンだから、使う分数は奥さんが2/3で両親が1/3だ。どうだ?」
祖母
「正解よ。さすがに勉強していただけはありますね」
祖父
「はっはっは、任せなさい!どうだい、B太君」
B太
「おじいちゃん、凄い凄い!」
祖母
「じゃあ、続けて問題です。『Cさんが亡くなって、Cさんが住んでいた家と家が建っている土地が遺産です。預金はありません。相続人は奥さんとCさんのお姉さんです。この場合はどんな相続になりますか?』さあ、わかるかしら?」
祖父
「もちろんだとも!Cさんの配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースだから、分数は奥さんが3/4でCさんのお姉さんが1/4だ。どうだ?」
B太
「うーん・・・」
祖父
「むむ、もしかして間違っていたかな?」
祖母
「急に首を傾げて、どうしちゃったのB太君?」
B太
「うん。さっきまで僕が解いていた問題は貯金だったよね。貯金って、僕のブタさん貯金箱に貯めているようなお金のことでしょ。お金だったらわけることができるけど、お家はどうやってわけるのかなって。ノコギリで切るの?でも、切ったら家に住めなくなるよ。夏ならいいかもしれないけど、冬は真っ二つになったお家は寒いよね」
祖父
「なるほど」
祖母
「B太君はそこで悩んでいたのね」
B太
「うん」
祖母
「それは心配いらないわよ。・・・はい、おじいちゃん、家や土地を相続するときはどうやってわけるのか答えて」
祖父
「うむ、任せろ。土地や家もわけることができるぞ。さっきの例で家をわける場合、別に家や土地をノコギリで切ってしまうわけじゃないんだ。B太君には少し難しいかもしれないが、一つの家をたくさんの人で所有することもできるんだ。しかし、奥さんと亡くなったCさんのお姉さんで所有していたとしても、家に名札がついているわけではないから、よくわからなくなってしまう。どうやってたくさんの人で所有するかというと、法務局で登記をすることにより所有することが一般的だ。例えばCさんが遺した家の記録(登記簿)を確認すると、相続によりCさんから持ち主が奥さんとCさんのお姉さんに移って、現在は奥さんが3/4持っていて、お姉さんが1/4持っているということをわかるようにしておくんだよ
B太
「・・・ちょっと難しくてよくわからない」
祖父
「はは、B太君にはやっぱり少し難し過ぎたね。不動産の相続の話はこれくらいにしておこう。せっかくB太君が覚えた分数計算が頭から抜けちゃいけないからね。家や土地の相続で分数計算しても、別にケーキみたいにナイフで切らなくてもいいんだよ。そこだけ覚えておこう、B太君」
B太
「うん・・・」
祖母
「あら、どうしたの?まだ何か疑問があるのかしら、B太君」
B太
「うん。今、色々な計算をしたけど、どうしてこんなにたくさんの分数が出てくるのかなって思ったんだ。もっと簡単に、全員同じ分数だったら覚えるのが簡単なのに」
祖父
「はは、『相続分の計算には全部1/2を使いましょう!』という感じにかな?」
B太
「うん、そう。1/2とか3/4とか、1/3とか2/3とか色々出てくるから、覚えるのが大変だよね」
祖父
「そうだね。それには理由があるんだよ。・・・と、もうこんな時間だ。今日はこのくらいにしよう。ところで母さん、どうだった?」
祖母
「何が?」
祖父
「テストだよ。私だって、けっこう勉強したんだ。満点だったろう?」
祖母
「うーん、まあまあね。今度B太君がうちで勉強する時は、どうして相続人の組み合わせごとにばらばらに分数が定められているかききますからね。それまでもっと精進してくださいね、お父さん」
祖父
「あらら、ずいぶん辛口だ。母さんは塩飴より辛いなあ」
B太
「おじいちゃん、また今度一緒に勉強しようね。僕、たくさん勉強しておくね」
祖父
「ああ、もちろんだとも!おじいちゃんもB太君に負けないようにたくさん勉強するぞ」

続きは・・・・・法定相続分のあの《分数》!相続の基礎について知っておこう④

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