売る?運用する?空き家相続人は意外なことで困っている?

日本は遺産に占める不動産の割合が多いと言われています。「土地長者」などの言葉もあるように、不動産を持っているとそれだけで財産持ちという印象があるようです。しかし、現実はかなり異なっています。相続における不動産の現状と、不動産を相続した場合に相談できる相談先など、相続と不動産の基礎について考えてみましょう。

今回は、近所で空き家を見つけた伊東家のおばあちゃんとお母さんの会話です。皆さんも、前まで普通に人が暮らしていた家がある日突然空き家になっていて「あれ?」と思った経験はありませんか。

祖母
「あら?」
「どうしたんです、義理母さん」
祖母
「ええ・・・実はね。このお宅なのだけど、先日まで灯りがついていたのよ。でもね、ここ一ヶ月くらい灯りが点くところを見ないなと思って。やっぱり今日も灯りがついていないわね。引っ越しでもなさったのかしら」
「ああ、こちらのお宅、確か住んでいた方が亡くなったそうですよ。相続人らしき人が、この間こちらのお宅を見に来ていました」
祖母
「そうなの? まあ、ぜんぜん気づかなかったわ。ニュースでよく少子高齢化という言葉を聞くけれど、こうしてご近所のお宅の方が亡くなると、時事問題もますます現実味を帯びるわね。このあたりのお宅でも、誰も住んでいなくて遠方の御親族が管理しているという話をよく聞くわ」
「そうですね。近くの商店街もシャッターの閉まっているお店が増えましたし。私がお嫁に来た頃は、もっと人も多かった気がします。商店街も賑やかで、空き家もほとんど見ませんでしたね」

おばあちゃんとお母さんは夕飯の買い物のために、商店街への道を並んで歩きます。道に両側にある住宅街にはぽつぽつと、昔は誰かが住んでいたのに、今は空き家になっている家が見受けられます。

東京都の空き家率はおおよそ10パーセントとなっています。東京といえば多くの企業や施設が存在する日本という国の首都ですが、マンション・戸建て住宅問わず高い空き家率を誇っています。空き家率10パーセントを考えてみれば、住宅街に100軒のお宅があればそのうちの10軒に人が住んでいないということです。夜になると灯りが点かない空き家は、遠目にもはっきりわかることでしょう。

 

不動産は処分方法や運用方法を知っていないとお荷物に?

 

おばあちゃんは空き家になったお宅の前で足を止めました。お母さん買い物かごを持ったまま、隣に並びます。家の窓は閉め切られ、カーテンが引かれています。庭は既に雑草が伸び始め、まさに空き家という雰囲気でした。

祖母
「そう言えば、こちらのお宅は商店街にお店を持っていたはずよ。昔はかなりの資産家で、他にもアパートや家を所有しているという話を聞いたことがあるわ。郊外に田んぼや畑も持っていて、近隣の人に貸しているとか。相続人の方は、お店やお家を全て相続して管理なさるのかしら。想像しただけで頭が痛いわ」
「不動産を相続財産用に用意して「これでうちは安泰」と考える人もいるみたいですけど、不動産を所有しているだけではお金になりませんものね。むしろ、維持費もかかりますし、税金だって必要になりますからマイナスになるって相続人が嘆くようですよ。『売る』か『貸す』か『空き家のまま管理する』のうちどうするか決めて、きちんと対策を考えないと。不動産は換金できれば額の大きなお金になりますけど、最近は少し地方に行くと売りに出しても売れないという話です。他にも賃貸として運用しても・・・」
祖母
「空き家が増えているということは、『うちの部屋を借りませんか?』と広告を出す人も多いということね。スーパーと同じだわ。選ぶにしても、お野菜が新鮮なところや安いところを選ぶもの」
「そうなんです。賃貸用の不動産として運用しても、皆、条件のいいトコロを探して入居しますから、人に貸し出せば不動産は金になる・・・そう上手くはいかないみたいです。売るのも貸すのも難しい、されど目的もないまま空き家のままで管理するのもお金がかかるという困った状況のようですね。それに、実は空き家問題、売るか貸すか、管理するかを決める前段階で大きな問題が起きているようですよ」
祖母
「大きな問題?」
「はい。ズバリ、うちの夫の好きな分野での大問題です。相続です」

 

実は空き家の取得原因の50パーセント以上が相続だとご存じですか?世の中の空き家問題を作り出している原因として相続が第一に挙がる状況にあるのです。

「不動産を持っていればお金持ち」という思考は幻想です。相続においては「きっと財産を残せば助かる」ではなく「どんな財産を残せば助かるのか」までを考えて対策をしなければ意味がありません。つまり、子供のためにととにかく不動産を集めることだけではまったく相続対策にならないということです。

法律の無料相談によく訪れるのは、現在のおじいちゃんおばあちゃん世代の子供世代であると言われています。50代くらいの、ちょうどおじいちゃんおばあちゃんから不動産を相続する世代です。「不動産を遺せば助かる」「不動産を持っているイコール財産」という思考のある意味被害者であるといえるでしょう。

皆さんの周りにも、不動産に対する認識がバブル当時で止まっている人はいませんか。あるいはそれより前、田畑の貸し借りが盛んだった頃の思考で不動産というものを認識している人はいないでしょうか。

空き家の処分を考えるのであれば相応に手を打つべきなのですが、実はその前段階で大きな問題が起きています。無料の法律相談で法律の専門家に対する相談で、実はこのような相談が非常に多いと言うのです。

 

「相続って何をすればいいのでしょうね?」という質問

 

「無料の法律相談で司法書士に相続や不動産のことを相談しようとするじゃないですか。でも、皆、何を相談すればいいのかわからないらしいのです。例えば、空き家を相続してしまったとして、売却を考えているなら『売却したいのですが手順はどうしたらいいですか』ときけばいいじゃないですか。相続によって不動産の名義変更をするなら『名義変更はどうやってすればいいですか』と相談すればいいですよね」
祖母
「あら、じゃあ不動産を相続した人はそういう質問を無料相談でするわけではないの?」
「そうみたいです。『空き家をどうすればいいのでしょう』ときくみたいです。『売却』や『賃貸』、『空き家』のまま管理するという方法も思い浮かばないみたいです。何をどこに相談したらいいかわからないというのです。どこに相談したらいいかわからないからとりあえず司法書士に尋ねたり、面倒だから放置したりという流れがよくあるみたいですね」
祖母
「空き家をどうすればいいのか決めかねているわけでも、手続き方法をききにくるわけでもなく、『どうすればいいかわからない』という人が多いわけね。それじゃあ、あのお宅の相続人も、いきなり家や田畑、店舗を相続して、『何から始めればいいんだ?』『何をすればいいんだ?』と困っているかもしれないわね」

 

まずは三択でざっくりと決めてみよう

 

「不動産を相続したら、確かに『どうしよう』と思ってしまうかもしれないですね。例えば故人の服や下着であれば処分することも簡単ですけど、家だと『捨てます』とはいきませんものね。司法書士会などでは、空き家専門の相談を設けたり、空き家対策や手続きの案内をネット上に公開したりしているようです」
祖母
「最終的に『売る』『運用する』『管理する』の三択から選ぶとしても、まず何をすればいいのか、どんな方法があるのかわからずに選べないということは、普段から知識を積み重ねておくことで防げるわけね」
「それと、先日、義理父さんと義理母さんがしていたように遺言書などの相続対策をしたり、不動産をどうしたいか生前に話し合ったり、ですね」
祖母
「私たちの家を息子たちが相続した時は、しっかり三択のうちから選べるように、頑張ってもらいたいわね」

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