相続人がいない不動産はどうなるの?意外と知られていない相続の豆知識

世の中には家や屋敷を残して亡くなり、財産たるその不動産をまったく誰も相続しないという事案があります。

そんなこと、本当にあるの?

とびっくりするかもしれません。そう、実際に相続人が存在せず、不動産をはじめとした遺産を誰も受け継がないということがあるのです。

今回は相続の豆知識として、相続人が存在しない不動産はその後どうなるのか?について解説します。今後の日本や自分の不動産を考える上でとても大切な知識です。

■相続人がいない!東京でもそんなことってあるの?

遺産を相続する相続人がいなければ、遺産は果たしてどこに行ってしまうのでしょうか。

遺産の中には不動産も含まれます。日本は現在『空き家問題』に悩ませられていますから、相続人がいなければ遺産は延々と放置されるということになれば困ってしまいます。

相続人がいないから家が空き家のまま放置される。そうすると、近隣住民が空き家に巣をつくった虫や動物に困っても、一体誰に「駆除してください」と言えるのでしょう。相続人がいないということが、亡くなった人(被相続人)の財産について誰も持ち主が存在しないということとイコールであれば、これは大変な問題です。持ち主がいなければ近隣住民が困っても、苦情の宛先がないということです。家の持ち主がいなければ、空き家のトラブルで困っても、近隣住民に手だてがないことになります。そもそも、相続人がいないと、不動産を含めた遺産はどうなってしまうのでしょうか。

これについて答えを解説する前に、まずは”相続人が存在しないということがあり得るのか”について考えてみましょう。

■相続人がいない!?相続人不存在は東京だけでなく全国で発生

結論から言うと、遺産の相続人が存在しないことはよくあることなのです。

天外孤独の人はもちろん相続人はいません。また、親族がいても、兄弟の子供のそのまた子供の子供という関係であれば、もはや相続人にはなれません。法律で定められた相続人になれる存在がおらず、亡くなった人が遺言書をしたためておらず誰にも遺産を渡しようがない場合には、相続人は存在しません。また、相続人全員が相続放棄をしてしまうと、この世に相続人が一人もいない事態になってしまいます。

・法律で定められた相続人になれる人の範囲に誰もいない(相続人になり手がいない)

・亡くなった人が遺言書で誰も遺産の受け取り手として指定していない(相続人がいない上に誰も遺産を受け取れない)

・相続人全員が相続放棄をしてしまった(相続人はいたのだが、手続きによって存在しなくなってしまった)

こんな場合は相続人がゼロ、まさに不存在という状態になります。

実は相続人がこの世に存在せず誰も遺産を受け取ることができないというケースはけっこうあるのです。これは東京の一等地だろうが、北海道の大平原だろうが、遺産の中身に関係なくあり得る話であり、実際にある話なのです。

■受け継がれない遺産はどうなるのか?誰のもの?

では、実際に相続人が誰一人いなくなってしまったとして、不動産はどうなってしまうのでしょう。誰のものになるのでしょう。宙ぶらりんで持ち主なしのまま放置されてしまうのでしょうか。

そうではありません。

相続人のいない遺産は最終的に「国庫に帰属する」と定められています。つまり、国のものになるのです。しかし、相続人が誰もいないからすぐに国のものというわけではありません。

■相続人のいない遺産は国のもの!その前に手続きが

遺産が国のものになる前段階として、裁判所では『相続人不存在の手続き』が行われます。この手続きでは、相続人が本当にいないのか確認され、「相続人さんいたら出てきてください」という公告も行われます。

それでも相続人が見つからなければ、今度は特別縁故者に名乗り出てもらい、遺産を分けるかどうかを裁判所が決めます。特別縁故者とは「亡くなった人が生前、特別に縁故が深かった人」のことです。相続権のない親族や、被相続人の介護に尽力した人、内縁の妻や夫がこれに該当する可能性があります。

特別縁故者として名乗り出れば必ず遺産を分けてもらえるというわけではなく、全ては裁判所の裁量です。ですから、「特別縁故者と思わしき方から名乗りがありましたが、遺産は分けません」という判断が下る可能性もあるということです。

特別縁故者に遺産を分ける場合は残りの遺産が。特別縁故者もいない、あるいは特別縁故者への分与を裁判所が却下した場合は遺産全てが最終的に国庫に帰属します。

平成22年では、国庫へと納入された遺産は260億円を超えています。

相続人がいなくて遺産の受け取り手がいないということってあるの?

そう、260億円という金額を考えると、「いないことってあるの?」どころの話ではなく、凄く多いです!という結論なのです。

■要するに近所の空き家は国のものだった!でも管理責任は誰に?

例えば近所に空き家があったとします。どうやら国の不動産になっているようだけれど、見るからに荒れている。

これはよくある話です。国もなるべく頑張って管理用としますが、日本人は資産における不動産に穂率が非常に高い、つまり遺産として不動産が残される可能性がとても高い国です。ですから、国庫に帰属した不動産に一人一人管理人をつけるわけにもいきませんし、毎日お庭の雑草を抜くわけにもいきません。それに、国は税金によって回っていますから、こんなことにばかり税金を使っていては国民からクレームがついてしまいます。

意外な話ではあるのですが、国庫に帰属した空き家も、実は相続を放棄した元相続人が管理をしなければいけないという定めがあるのです。

これは日本の『空き家問題』にも関わる問題です。空き家問題と一緒に解説していきたいと思います。そのために、次回はまず『空き家問題』について考えてみましょう。

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