相続登記に必要な戸籍謄本とはどんなもの?身近な書類の中身に注目

相続したら勝手に名義が変更されるわけではなく、司法書士に依頼する、あるいは自分で、法務局に必要書類を提出した上で名義変更を進めることになります。

第一に必要になる書類は、名義変更(相続登記)の申込書といえる登記申請書なのですが、相続の場合は「確かに相続しました」「私が確かに相続人です」ということを証明しなければならないため、各種の書類を登記申請書に添付することになります。

この添付書類は相続の形態によって異なってきます。

例えば遺言により相続したというケースであれば法務局側で「遺言を確認させてください」という話になりますので、遺言書の添付が必須になります。また、相続人同士が話し合って遺産分割を決めたのであれば、「話し合いの結果をまとめた遺産分割協議書を見せてください」という話になります。まさに相続による名義変更に必要になる書面はケースバイケースなのです。

しかし中には申請書と同じく、どんな相続でも変わらず添付しなければいけない書面があります。それは「戸籍謄本」です。今回は相続手続きに使う戸籍謄本について解説を進めていきます。

■相続登記に必要な戸籍謄本は生まれてから亡くなるまでの一続き

戸籍謄本とは、日本における代表的な公的な書類の一つです。本人確認のためによく取得を求められる住民票と同じく、自治体に足を運べば取得できるという印象があると思います。実際、その通りです。いきなり固定資産税評価証明書を取得してくださいと言われたら「それってどこで取得できるの?」と首を傾げる人も多いことでしょう。ですが、戸籍謄本は世間一般的に知名度の高い公的書面ですから、「取得はどこ?どうやって?」と首を傾げる人はあまりいないはずです。

しかしこの戸籍謄本は、知れば知るほど難しい書面なのです。簡単に取得できるのに、実務を経験している法律家も解読するのが困難なほど!

相続によって不動産の名義を変更するためには戸籍謄本が必要になります。それも、

・被相続人(亡くなった人)が生まれてから亡くなるまでの戸籍

が必要なのです。

除票をだけを添付すればいいというわけではなく、その人の人生そのものの流がわかる一続きの戸籍謄本の用意が必要になるのです。

■戸籍謄本の取得は被相続人の所在地それぞれで

戸籍は役所に行けば簡単に出力してくれます。手数料も必要になりますが、枚数が少なければ数百円程度で済むことでしょう。役所があまり混んでいなければ、十分程度で出してくれます。

しかし問題は名義変更に必要なのは「生まれてから亡くなるまでの戸籍」であるということ。出力してもらった戸籍が生まれてから亡くなるまでのものなのか確認しなければいけません。この作業が非常に困難で、法律の専門家すら「大変だ」とこぼすこともあるほど。

特に高齢の方が亡くなって相続が発生した時はとても大変です。

昔の戸籍は今の戸籍ほど読みやすく整えられていません。字も、数字は漢字で記載されている上に、市町村合併で現在と地名が異なっていることも少なくありません。また、昔の戸籍は基本的に手書きですので、書き手の癖が出ます。また、経年による掠れなどもあり、読み解くことが大変なのです。途中で転居をしていると、別の自治体に戸籍が移ってしまっているので、今度はそちらの自治体に連絡して続きの戸籍謄本を取り寄せなければいけません。

しかも高齢の方だと親族もその分だけ多いですよね。枚数も、時に数十枚に上るということだってあります。

■必要な情報を読み解くと共に不動産の相続人をピックアップ

全ての戸籍を繋ぎ、非相続人が生まれて亡くなるまでの人生をパズルのように組み立てていきます。また、戸籍を見ながら司法書士は相続人からヒアリングした相続人が本当に全員なのかどうかを戸籍謄本の内容から確認していきます。実は戸籍の中には、時にうっかり相続人が知らない相続人が隠れていることがあるのです。

知られていない相続人を抜かして行われた遺産分割協議は無効です。法律通りに遺産分割する場合でも、「後から見つかった相続人は面倒だからナシ!」とはいきません。相続人に該当する以上、そこは勝手に相続人が決めてよいことではありません。法律上で無効と定められていれば相続人が何を言っても無効ですし、相続人と法律が定めていれば例え相続人が初めて知る人間でも確かに相続人なのです。

たまにあるのが、隠し子がいたパターン。子供は法律で優先的に相続人になるように定められています。戸籍を見るとたまに依頼を持ってきた相続人すら知らない隠し子(兄弟姉妹)が見つかることがあり、遺産分割とは違った意味で嵐を呼ぶことになります。遺産相続もドラマですが、時に不動産の名義変更手続きも一つのドラマになることがあるのです。

戸籍謄本は相続による不動産の名義変更の必須書類。しかも一続きのもの!これは相続手続きをする上で覚えておきたい知識です。

■最後に

戸籍謄本は不動産の名義変更だけでなく、預金の相続手続きなどにも必須の書類です。法務局で提出を求められ、銀行でも提出を求められと、とにかく相続手続きをする度に提出を求められることになって大変です。

同じものを何枚もあちこちに提出しなければならないとなると、その分だけ取得にお金がかかります。だからこそ覚えておきたいのは、不動産の名義変更に使った戸籍謄本は還付請求ができるということ。ただでさえ人の生き死にはお金がかかるものです。こういった証明書代で賢く節約できればいいですよね。

次回は相続手続き全般で使える「手続き全般で使う書類を返してもらって手数料を節約する方法」について解説したいと思います。

相続関係図

という書類がキーワードになりますので、頭の片隅に置いておいてくださいね。

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