相続した不動産の名義変更手続き期限は?罰則はあるのか

相続後はそれぞれの相続財産に応じた手続きが必要になります。

預金であれば銀行や信用金庫に足を運んで解約の手続きをし、相続人の取り分に応じた金額をわけることになります。また、不動産であれば、土地、家、ビルに問わず名義変更をすることになります。

しかしこの相続後の名義変更手続きは必ずしなければいけないものなのでしょうか?

しなければ罰則はあるのでしょうか?

しないで放置しておいたら何か問題はあるのでしょうか?

実は罰則は何もないということをご存じですか。

罰則がないと「それじゃあ暫く放置してしまおう」と考えてしまうかもしれません。確かに罰則はないのですが、それでいいのでしょうか。

■手続きは急いだ方がいいとわかっていても!後じゃ駄目?

不動産の相続による名義変更には手数料(登録免許税)が必要になります。

手数料は「一つの不動産につき○円」という形で一律に決まっているのではなく、不動産の固定資産税評価額によって大きく変わってきます。基本的に不動産の価額の1,000分の4が手数料になりますので、名義変更を法務局にお願いすると価額が1,000万円であれば4万円の手数料が必要になります。2,000万円だと8万円ですね。価額が高くなるとどんどん手数料が高くなってしまいます。相続とは人の死が原因で起きます。

人が亡くなると葬儀を出さなければいけません。いきなり高額の支出があることも珍しくありません。しかも亡くなった人が病院に入院していた等の理由があれば未払いの医療費の支払いも必要になりますから、不動産の名義変更の手数料まで費用が回らないかも知れません。

懐が苦しいから後じゃ駄目?と思うかも知れませんね。不動産の名義変更はすぐにしなければいけないものなのでしょうか。

■不動産の名義変更には期限がない?罰則も

実は、相続後の不動産の名義変更に期限はありません。実務をしていると、それこそおじいさんの頃から一切手続きをしておらず、おじいさんから息子が相続して、息子から孫が相続してという流れで手続きしなければならないことも珍しくないのです。もし相続による名義変更手続きに期限があり、しかも手続きしないことが処罰対象であれば、おじいちゃんも息子も怒られてしまいますね。

名義変更には何時までにしてくださいという期限はなく、しかもしないことに対して罰則もありません。ただし、罰則も期限もないからといって放置しておくとデメリットがあるのです。

このデメリットはとても重要なことです。「懐が苦しいから手続きは放置で」「罰則も期限もないなら暫く放置してしまおう」と思っている方は、よく知っておく必要があります。

不動産の相続による名義変更をしないと、

  • 不動産の権利が危うくなる
  • 売却できない
  • 世代を経るごとに手続きが大変になる

という大きな3つのデメリットがあります。

具体的にどういうことか順番に説明していきましょう。

■3つのデメリットとは!権利を争ったら負けてしまう?

不動産は登記によって守られているところがあります。きちんと不動産登記をしていたAさんと何も手続きをしていなかったBさんが同じ不動産を巡って争えば基本的に裁判所はAさんを勝たせます。こういった判例はごろごろあるのです。

きちんと名義変更をして登記がある人が有利!

手続きをサボっている人はいざという時に助けませんという法律の厳しい態度です。

不動産に諍いが発生する可能性はありませんか?

いざという時に法律と裁判所はきちんと手続きしていた人の味方をするということは覚えておいた方がよさそうですね。これは相続による登記だけでなく、売買などの他の原因により名義変更をする時も同じことが言えます。

■銀座の一等地でも売却不可?2つ目のデメリット

名義の変更をしておかないと基本的に売却ができません。

相続後すぐに不動産を売却してお金にしようと考えていた息子。どうせ名義変更手続きにお金がかかるなら手続きせずに売却してしまえば手数料も浮くのではないかと考えました。しかしそう上手くはいきません。なぜなら、名義変更をしないと売却ができないからです。

息子が亡き父親名義の不動産を売却したくて不動産屋に行ったとしても、不動産屋はまず「名義の変更をしてください」と言います。「売却はその後です」とも言います。名義が違うので当然ですね。例え家族であれ、他家族の財産を勝手に売り飛ばすことはできません。してはいけないことです。

息子は確かに不動産を相続したかも知れませんが、売却は名義変更をしてきちんと息子の財産(不動産)にしてからということですね。

急を要する売却を検討している場合、相続後の名義変更をしているかどうかで手続きスピードに大差がでます。手続きをしていなければ、まずは手続きからしなければならないからです。法務局に「急いでいますので!」と言っても、法務局はそんな個人の都合に配慮はしてくれません。「他の人だって待っています。順番です」と言われて終わります。

売却を検討しているなら、早め名義変更をしておくことが望ましいです。

■土地も住宅も相続した順に変更が必要!サボると子孫が大変

もう一つのデメリットとしては、相続登記をサボってしまうと、子孫がもの凄く苦労しなければならないということです。

相続登記は基本的に相続が起きた順に手続きしていかなければいけません。祖父の時代から手続きをさぼっていて、祖父の名義で止まっている登記記録があったとすれば、孫までの相続手続きを延々としなければいけません。とても大変です。

祖父から父、父から息子(孫)と順番にしていかなければいけませんから、孫が全ての相続手続きの費用を負担し、必要書類を全部集めることになります。しかも孫が不動産を売却したいと急いでいるときは、単純計算で普通の相続登記の三倍の時間がかかるわけですから本当に大変です。

■住まいと家族のために相続登記を忘れずに

不動産を相続したら相続人の名義に変更する手続きをすることになるのですが、手続きには期限はなく、しないことによる罰則もありません。ただし、していないと「危ない」「売れない」「子孫が大変で泣く」というデメリットがあります。

孫や子供のために生前贈与を考えるのも大切なことです。しかし面倒な手続きを「後でいいや」で子供や孫に残してしまうのも考えもの。期限も罰則もありませんが、手続きはお早めに!

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