実家の売却を考えるなら、老人ホーム入居の3年以内がお得!?

「父親が亡くなって5年、85歳になった母がずっと一人で暮らしてきましたが、このまま一人にしておくわけにもいかないので、家族で話し合った結果、老人ホームに入居することとなりました。そこで、今回の相談なのですが、空き家になった実家はどうすれば良いのでしょうか?
私たち兄弟はみんな家庭があり生活基盤が別の場所にあるので、実家に戻る事はありません。 売却をしようか?それとも母が老人ホームから戻ってくる可能性もゼロでは無いので賃貸に出そうか? 迷っています。どちらが良いですか?」

こんなご相談をよく頂きます。

現金化したいのか?安定した定期収入がほしいのか?目的が重要!!

  • 自宅を売る!
  • 自宅を貸す!
  • 自宅を空き家にしておく!

大きく分けると選択肢はこの3つです。

  • 誰も使わないのであれば、売るのも有り!!
  • 建物が新しいのであれば、貸すのも一つの選択肢!!
  • 将来的に誰かが使うのであれば、少しの間空き家にしておくのも一つ!!

その方によって、方法は様々ですので、この質問に答えはありませんが、

税務上のお話としてはこんな回答になります。

人に貸した場合の税金は?

もし、老人ホーム入所中にお母様がお亡くなりになられた場合、自宅が空家ではなく貸家となっていれば、土地は2割前後、建物は3割前後の評価減となりますので、空家に比べて相続税の節税につながります。

一般的に、相続税が課税される可能性のある方であれば、貸家にしておいた方が税務上は有利なケースが多いです。(小規模宅地等の評価減の特例の適用如何では空家の方が有利になるケースもあります)

また、人に貸すことで毎月定期的な安定収入が入りますので、不動産投資などにご興味がある方には、個人年金の一つとして運用するのも良いかと思います!

注意点としては、

相続によって不動産投資を始められた方の多くが兄弟姉妹での共有名義です。

共有名義の不動産は非常に厄介ですので、
『私の兄弟姉妹は仲が良いから、みんなで平等に相続してアパート経営でもしましょう!』なんて思われている方も注意が必要です。

 

例えば、あなたと兄弟Aの二人で相続をした場合、

『10年後、あなたの兄弟A(70歳)が亡くなった場合、誰が共有名義になりますか?』
⇒多くは、兄弟Aの配偶者B(65歳)と子供C(40歳)子供D(38歳)です。

『その5年後に、子供C(45歳)が亡くなった場合、誰が共有名義人になりますか?』
⇒多くは、子供Cの配偶者(45歳)と子供(20歳)です。

『子供Cの配偶者が再婚した場合、、、、、、、』

兄弟姉妹2人で相続した不動産が15年後には、

顔もわからない10人で共有名義に、、、、、、、、、なんてケースも良くあります。

 

ここまでくると、共有人全員の合意は難しいので、売るにも売れない負の資産になる可能性も十分考えられます。

『現金で相続を受けておけばよかった・・・』ってことがないように、

不動産はなるべく“単独名義”での登記をおススメします。

 

では、生前に売却した場合の税金はどうなるのでしょうか?

不動産を売却した場合、譲渡税がかかります。
これは、不動産を売却したときの利益に対する税金です。

では、この譲渡税はどのように計算をするのでしょうか?

そこで、すこし話がそれますが、みなさまに質問です!!

Qマン
『親が実家を購入した時期はわかりますか?』

この質問に対して、

祖父
『30年くらい前だったな』
祖母
『私が小学校に入学する時だから、40年前くらいですね』

と答えられた方はあまり問題がないと思いますが、

祖父
『祖父・祖母から相続で取得したはず、、、』
祖母
『生まれた時から住んでいたから分かりません』

という方は、特に注意が必要です。

不動産を売却するときの譲渡税の計算のポイントは?

ポイントは不動産購入時の売買契約書の有無にあります。
例えば、安いスーパーで80円で買ったペットボトルのコカコーラを近くの運動場に持っていき、草野球をしているお父さんに対して100円で販売したとします。

この場合、100円の利益を得る為に、80円でコーラを仕入れていますので、80円は経費になります。

ということは、利益は20円なので、この利益に税金がかかる訳です。

では、不動産に置き換えましょう!!

自宅が8000万円で売れたとしましょう。

税金を計算するに当たり、まずは8000万円の自宅を売却するに当たって、その不動産をいくらで買ったか?を調べる必要があるのです。

私の経験からですが、20年前・30年前に不動産を取得した方は契約書を持っているケースがほとんどです。(紛失してしまっている方もいますが。。。)

契約書があれば、契約書の購入金額が経費になりますので、当時5000万円で購入した売買契約書があれば、
8000万円-5000万円=3000万円

3000万円に対して税金がかかります。

長期譲渡の場合、税率は20%(所得税15%、住民税5%)程度ですから約600万円の税金がかかることになります。

これは、本人が取得していても、その親が取得していてもどちらでも問題ありません。

それに対して、購入費が不明な場合、一般的に取得費は売却価格の5%とみなされます。

・・・・・5%のみです。
(ご来社頂いた方には、違う方法も伝授いたします)

仮に8000万円で売却したのなら、その95%の7600万円に対して税金がかかるのです。(実際は、売却にかかる諸経費も参入できますが、ここでは簡略計算で行います)

長期譲渡の場合、税率は20%(所得税15%、住民税5%)程度ですから、7600万円×20%=約1520万円の税金がかかることになります。

契約書の有無で
1520万円-600万円=920万円も違いが出る事になります。

是非、契約書を探してみて下さい。

『そんなに税金を払いたくないよ~』という方に
マイホームを売却する場合に限って、大きな税金の軽減措置を受けることができる制度がございます。

それが、「居住用財産の3000万円特別控除」という制度です。

この制度は、居住していたマイホームであれば、譲渡益が出ても、そこから3000万円は差引して計算していいですよ!!というありがたい制度です。

先程の例の場合、7600万円の譲渡益でしたので、
「7600万円―3000万円」の控除ができ、4600万円に対しての税金となります。

4600万円×20%=920万円

契約書がなくても、3000万円特別控除が使えれば、600万円もお得です!!

それでは、本題に戻ります。

今回、親は老人ホームに入居が決まりましたので、持家(自宅)は空家です。

この場合、税務署は実家を「マイホーム」と認めてくれるのか?居住用財産と認めてくれるか?です。

結論からいいますと、
認められないケース”がほとんどです。

マイホームの定義は、『生活の拠点として利用している家屋』とされています。

親が老人ホームに入居してしまうと、生活の拠点は老人ホームになってしまいます。

実態調査をされる場合もある為、住民票をそのまま残しておいても否認されるケースが多いです。

ただし、老人ホームに入居して間もない方には特例がございます。

3年経過後の12月末までに譲渡をすれば、3000万円特別控除などマイホームの売却時の税金の軽減措置が使えます。

その間の建物の用途は問われません。3年間空家のままでもいいですし、貸家として第三者に賃貸していてもいいし、子供や親戚に無償で使わせてもいいのです。

特例を受けるための適用要件

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件すべてに当てはまることが必要です。
イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

(4) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで(注)に売ること。
(注)東日本大震災により滅失した家屋の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」をご覧ください。)。

(5) 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。

特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

よって、質問者様への回答としては、

「老人ホームの入所後に、自宅を人に貸すのは、相続税対策になるので有効です!!しかし、のちに売却をする可能性が高いのであれば、お母様が自宅を出てから3年経過後の年末までに売却した方が譲渡所得税は断然安くなります。
一度他人に貸してしまうと売りたいときに売れなくなります。オーナーの立場は賃借人より弱いです。
また、相続税対策をされるのであれば、居住用財産の特例で自宅を売却し、その資金で、賃貸用アパートやマンションを購入するのも賢い相続税対策になります。
あくまで、税務上のお話になるので、頭の片隅に入れておいてください。」

親が元気なうちに、話し合いの時間を!

大前提ですが、親名義の不動産を子供が勝手に処分・運用することはできません。

すべての契約に関して、本人の署名・捺印が必要になります。

仮に認知症になっていた場合は、事前に成年後見人の選任が必要です。

親が認知症!!不動産の売却方法は?

親が少しでも元気なうちに、

  • 実家をどうするのか?
  • 誰が親の介護をするのか?
  • 誰が介護費用を出すのか?
  • 財産はどのくらいあるのか?

是非、家族で話し合って頂きたいです。

親の介護をしない子供ほど、金を出さずに口を出してきます!!

売れない広い土地!!不動産会社も知らない賢い売却方法!

老人ホーム入居のご相談はこちら⇒介護のみかた

お悩みごとは無料相談をどうぞ!!

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