iDeCo(イデコ)で選択できる運用方法は?iDeCoとセットで活用したい資産運用の基礎知識

年金を受け取るような世代になると、収入が激減するという特徴があります。しかし、収入は減っても生活費が減るわけではありません。生活費が減らない上に、高齢になればなるほど医療費などの心配が出てくるという特徴があります。日本は男女ともに平均寿命が80歳を越え、世界有数の長寿国となっています。

長寿は良いことという考え方もできますが、反対に寿命が延びれば延びるほど、人生に必要なお金が増えるという考え方もできます。老後の健康リスクと同じくらい、老後の生活資金の工面は重要になっています。

老後について備えるために、iDeCoを含めた「資産運用」について考えてみましょう。公的年金やiDeCoを主軸に資産運用する場合は、方法を1点に絞らず、iDeCoを含めた運用方法についてを把握しておくことが重要なのです。

 

■iDeCoと一緒に活用したい!色々な資産運用の方法

 

 

iDeCoとは、「じぶん年金」とも呼ばれる個人型確定拠出年金のことです。自分がここぞと決めた金融機関と契約を結び、掛金を自分自身で拠出します。掛金をこつこつと積立ながら運用し、公的年金とは別の自分用の年金を作出する制度が「iDeCo」です。

iDeCoには、自分で掛金や運用をプランニングすることで、公的年金では足りない老後生活資金を上手くフォローできるというメリットがあります。掛金は控除の対象になり、運用益は非課税になるため、自分で投資信託や定期預金で老後資金をこつこつ貯めるよりもメリットが多いと言われます。しかし、同時にデメリットもあります。

iDeCoのデメリットの1つに、「基本的に60歳にならないとお金の引き出しができない」というものがあります。自分で契約した定期預金なら、冠婚葬祭や急な入院などの突発的な事態に必要になれば、解約してすぐに引き出しできるという特徴があります。投資信託も、値動きのせいで投資した金額を下回るリスクもありますが、売却してお金に換えることができます。しかしiDeCoは、「老後の資金対策」の制度ですので、途中解約がある程度制限されています。

また、iDeCoには金融機関によって色々な運用コースが用意されていますが、自分で契約して資産運用するよりも選択できる金融商品の種類が少なくなります。iDeCoは定期預金や投資信託、保険などが運用コースになります。「不動産投資がいいのですが」と言っても、自分の意見で取り入れてもらうということができません、あくまで金融機関の用意した運用方法から選択する必要があります。

iDeCoには税金的な負担が緩和されるなどのメリットがありますが、iDeCoでは選択できない運用法があることや、60歳までは基本的に引き出すことができないというデメリットは覚えておく必要があります。そして、iDeCoだけで「老後の備えはばっちり」と考えず、「iDeCoのデメリットをフォローできるような資産運用方法と一緒に活用して、老後の備えをよりばっちりにしよう」と考えることが重要です。

 

 

■老後資金は公的年金やiDeCoを柱に色々な方法で運用を

 

公的年金があるから、そしてiDeCoに加入しているからといって、老後の生活資金が大丈夫というだけではありません。また、仕事を退職するまでの資産運用についても、公的年金やiDeCo以外の方法も比較検討しながら活用していくことが重要になります。

そのためにも、資産運用にはどんな方法があるか、具体的に知っておきましょう。iDeCoでも運用できる方法ななのか、それともiDeCo では選択できない運用方法なのかを解説し、合わせて運用方法の基礎知識もお話します。iDeCoで運用した場合のメリットとデメリットについても検討してみましょう。

1、預金(定期預金)

金融機関の定期預金に預け入れる方法です。利息が雀の涙と言われる世の中です。定期預金で資産を増やし将来に備えることは現実的ではありません。ただし、定期預金は資金をプールできることに向いているため、別の方法で資産運用をして増やしつつ、一定額を定期預金に預け入れて緊急時の資金にするという活用方法が考えられます。また、守ることに特化しているため、将来的な資金の中でも「額を変動させたくない」お金を運用することに向いています。

定期預金はiDeCoでも運用することができます。金利が非課税になるというメリットがあります。しかし、iDeCoで運用すると60歳まで基本的に引き出しができないというデメリットがあるため、非課税というお得さにだけ目を向けてしまうことは危険です。

定期預金は「税金がお得になるなら全てiDeCoでいいのでは」と考えず、iDeCoでの定期預金運用と通常の定期預金は別物と考えてしまう方が使い道に幅が生まれます。ただ、iDeCoである程度、掛金を手堅く運用するためには定期預金での運用を取り入れることも重要です。私生活、iDeCoでも柱の1つになるのが定期預金です。

2、投資信託

投資信託とは、色々な金融商品を少しずつ組み合わせた金融商品です。レストランのメニューで考えれば、パスタやサラダなどを組み合わせたランチセットのようなものでしょうか。株式がラーメンなら、他にチャーハンや餃子といった運用商品を組み合わせて作り上げる、ラーメンライスセットや餃子セットのようなもの・・・と説明すると、何となくわかっていただけるでしょうか。

投資信託には、株と債券を組み合わせたものなど、様々な種類があります。色々な会社のプロが「A株式とB株式、それからC債券を組み合わせたら美味しいのでは」と考えて、色々なセットメニュー(投資信託)を作っています。そのセットメニューの中でも「美味しそう(投資によさそう)」というメニューに投資するのが投資信託での運用です。

投資信託のメリットは「プロが運用するので難しい金融知識が必要にならない」「色々な金融商品が組み込まれているため、リスクヘッジができる」ことです。例えば、組み込まれているA株式が値下がりしても、同じく組み込まれているB株式が値上がりしていれば、資産が目減りするリスクを軽減できます。そして投資信託はプロが運用しますので、自分に深い相場観や金融知識がなくても、プロの知識と運用に任せることができます。

iDeCoでは、金融機関側が用意した金融商品の中から選んで運用することになります。中心になるのは定期預金、そしてこの投資信託になります。iDeCoで掛金を運用する中で「もっとリターンが欲しい」と考える場合は、掛金を投資信託へ割り振る割合をどのようにするか、よく検討することが必要になります。

 

3、株式

株式による運用とは「各社が発行している株を購入し、その株の値上がりや値下がりに注目して売買することにより利益を出すことを狙う運用方法」です。例えばAという株式を100円で購入したとします。このA株が200円に値上がりした時に売却すれば単純計算で100円の利益になります。しかし、A株の株価が50円になってしまうと、単純計算で50円のマイナスになります。このように、株式での運用では、株価の上下に注意しておく必要があります。

また、所持していると配当金や株主優待を受け取ることのできる株もあります。値の上下を敏感に察知して売買により利益を得る投資家もいれば、株主優待や配当金を含めて総合的に利益が出ればOKと考える投資家もいます。

iDeCoでは、株式を単品で運用することは、現状では対象外となっています。例えばA株だけ買い付けて運用したいという場合は、iDeCoでは対象外になっている状況です。色々な金融機関のiDeCoを見てみると、その中に「A社株に直接投資する」といったコースは見つからないはずです。株主優待をがんがんもらってしまおうというコースも見受けられません。

ただ、iDeCoで株式運用がまったくできないわけではありません。各金融機関が提供しているiDeCoの運用商品の中には、色々な投資信託があります。その中に株式が含まれる投資信託もあるからです。株式の含まれる投資信託を指定して掛金を振り分ければ、投資信託を通じて間接的な株式の運用ができるということです。

株式の含まれる投資信託は、比較的値動きが激しいと言われます。これは、投資信託の中に含まれる株の値が動くために、投資信託の時価が株価に引っ張られてしまうためです。ただ、株が含まれている全ての投資信託が急激な上下を見せるわけではありません。中には安定した値動きの株をたくさん組み込んだ投資信託(あまり激しく値動きしない投資信託)もあります。反対に、値動きが激しい株をたくさん組み込んだ投資信託もあります。同じように株式を組み込んだ投資信託でも、株式の割合や種類は投資信託ごとに異なっています。

iDeCoで株の含まれた投資信託を運用したいと考える場合は、ただ株が含まれるというだけでなく「株がどれくらい組み込まれているか」「どんな株が投資信託に組み込まれているのか」もよく見てみてください。

また、iDeCoで投資信託に掛金を振り分けると、定期預金だけで掛金を運用するよりもリターンを見込むことができます。定期預金と同じくリターンが非課税というところも注目しておきたいところです。

 

4、債券

債券は「お金の貸し借りによりお金を運用する方法」です。例えば10万円を貸し付けたとします。貸したお金は値上がりや値下がりが関係することがなく、10万円貸していれば10万円です。ですから、償還日には貸した金額である10万円と利子を受け取ることができます。お金を貸して同額を返してもらい、利子によってプラスを得ようという運用方法が、この債券による運用なのです。

代表的なものには国債や個人向け国債(日本という国にお金を貸し付ける方法)や地方債(地方自治体にお金を貸す方法)、社債(会社にお金を貸し付ける方法)があります。

1つの債券を選んで運用することは、iDeCoでは対象外となっています。金融機関が提供しているiDeCoの金融商品をつらつらと見ていっても、「Aという会社だけにお金を貸し付けるコース」などは見あたらないはずです。現状、1つの会社などに絞って債券運用することは、証券会社などを通して行うiDeCo以外での運用になります。債券の運用にも興味がある方やiDeCoとセットで債券運用をして老後資金のプランニングを考えている方は、証券会社に相談し、どんな債券が出ているのかをよく確認するところからはじめてみてはいかがでしょう。

iDeCoと債券運用がまったく無関係というわけではありません。なぜかというと、投資信託には債券が含まれているものがたくさんあるからです。現状、iDeCoの主役は定期預金や投資信託です。債券は株式と同じく、債券が含まれている投資信託にiDeCoの掛金を割り振るかたちで、iDeCoでも間接的に債券の運用が可能です。

 

5.不動産投資

不動産投資とは「不動産の売買や賃貸により運用すること」を言います。例えばA土地を購入しそのA土地を買った価格より高額で売買することや、マンションの1室を購入して、その部屋を貸し付けて賃料を得ることなどが不動産投資です。少額から不動産に投資する方法としては、不動産投資信託などがあります。

不動産投資も、基本的にiDeCoではできません。金融機関が提供しているiDeCoでの運用商品の中には「A不動産の1室を買って賃貸収入を得よう」といった商品は見あたらないはずです。不動産投資をする場合は、不動産投資信託を金融機関で買い付けたり、不動産投資に強い不動産屋に相談したりすることになります。

ただし、不動産投資もiDeCoとまったく無関係の運用方法というわけではありません。投資信託の中に不動産が組み込まれているものもあるからです。iDeCoで運用できる投資信託の種類は金融機関ごとに異なっています。iDeCoで選択できる投資信託も金融機関ごとに異なっています。ですから、iDeCoで運用の対象にできる投資信託の中身をチェックして、自分の好みに合った投資信託を扱っている金融機関をiDeCoの契約先に選ぶのも1つの方法です。

 

 

■最後に

iDeCoでは、主に定期預金や投資信託で運用することができます。掛金を拠出し、掛金を割合で指定することで、金融機関側が用意している運用商品に自由に振り分けることができます。ただ、投資信託と定期預金以外の運用方法をまったく選択することができないというわけではありません。

株や債券、不動産などの個別銘柄や個別不動産にピンポイントに投資することは対象外ですが、投資信託に組み込まれていることがあるため、投資信託を通して株や不動産、債券に投資するという方法があります。iDeCoは運用益が非課税になっているので、自分の好みに合う投資信託を選んで積極的にリターンを増やすのも方法の一つです。

iDeCoで老後のための備えをしながら、債券や株式、不動産投資などでiDeCoのデメリットを補うような運用をすることも1つの方法です。資産運用やiDeCoの基礎知識を知って、自分の将来をより良いものにするための準備をはじめてみてはいかがでしょうか。

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