iDeCo(イデコ)の加入前に考えておきたい5つのマネープランニングの知識

iDeCo(イデコ)に申し込めば老後の備えはばっちりと思っていませんか。年金問題が取り沙汰される昨今です。自分でできる備えの一つであるiDeCoを活用することは、リタイア後のライフプランニングをする上でとても大切なことです。「加入しないよりはした方が安心」これはiDeCoだけでなく、医療保険や収入保障保険にも言えることではないでしょうか。しかし、申し込みさえすればいいというわけではなく、「備え」をより効果的に活用することが大切なのではないでしょうか。

「iDeCoに加入しているから、国民年金や厚生年金と合わせれば生活していけそう」ではなく、iDeCoなどの制度をよりよく活用できる「自分自身のお金の環境」を整えることが重要です。iDeCoに加入する前に知っておきたい、そして考えておきたい、5つのマネープランニングについて解説します。iDeCo加入の準備として、「制度やお金が活躍できる環境」を作っておきましょう。

 

■iDeCoに加入する前にお金の活躍できる環境を整えよう!

 

優れたスポーツ選手がいても、その選手が活躍できる運動場やグラウンド、スタジアムが整備されていなければ、スポーツ選手が力を発揮することは難しいはずです。綺麗な花の苗を購入しても、その花の苗がすくすくと育つ土壌を用意しなければ、花は開花する前に枯れてしまうことでしょう。そして、美味しい野菜の種を購入して育て夕飯に彩を与えようと考えても、環境が悪くて野菜がしっかり育たなければ意味がありません。・・・これは、お金や制度、サービスにも同じことが言えます。せっかくサービスに加入しても、そのサービスの力を発揮することができるような環境でなければ、加入しても意味がありません。

例えば、入院保険に加入したとします。しかし、入院後に、保険金を請求することができませんでした。それと言うのも、契約書から約款まで失くしてしまい、加入した保険会社の名前まで失念してしまっていたからです。また、保険に加入したことは覚えていても、それがどんな保険だったのか、すっかりと失念してしまっていたからです。

サービスを利用するためにはただ加入するというわけでなく「いざという時に使える」「サービス内容を把握している」「資料を手元にきちんと整理して残している」など、サービスが活躍できる状況にしておかなければ意味がありません。いざという時の備えが、まったく備えにならなくなってしまいます。

また、子供のために財産を残そうと思い立って、金融機関に定期預金でお金を貯めていた場合はどうでしょう。この定期預金の存在を子供が知っていたらいいのですが、知らない場合、子供は定期預金として残された備えを活用することができなくなってしまいます。「ただ契約する」だけでなく、「いざという時に使えるように環境を整える」ことが大切だと思いませんか。

iDeCoにも同じことが言えます。ただiDeCoに加入しさえすれば「老後の備えができた」「老後の不安が緩和された」「老後の蓄えが一つできた」というわけではありません。iDeCoが自分用の年金として活躍するためには、加入する前に環境を整えることが重要です。そして、加入後にも、リタイア後にiDeCoが真価を発揮できる状態にしておくことが重要です。

具体的には、5つの事柄に注意しておきましょう。マネープランニング、リタイアメントプランニングをする上でも、「お金の環境作り」は大切なことです。お金やサービス、制度も、使う本人がきちんと力を発揮できるように、周囲の環境を整えておくことで、自分を助けてくれる命綱ならぬ金綱になってくれます。

 

■iDeCoに加入する前にしておきたい5つの準備

 

iDeCoに加入する前に、お金の環境作りとして知っておきたい、しておきたいことは、「自分の国民年金や厚生年金の加入状況を確認する」「自分の預金(普通預金・定期預金・積立預金など)の状況を把握しておく」「他の資産運用方法(株や不動産活用)も検討してよく考える」「自分の収支を断捨離しておく(収入と支出の見直しをする)」「契約書類や目論見書の整理整頓をする」の5つです。

iDeCoに加入する前には、各金融機関のサービスを比較することや、金融機関ごとのiDeCoの手数料やサポート体制を確認しておくことも重要です。しかし手数料やサポート体制は、金融機関側の「お客さんがiDeCoを活用してもらうための環境作りのためのもの」です。iDeCoを活用するためには、自分自身でもしっかりと、「自分をサポートできる体制」を構築する必要があるのではないでしょうか。

家でクリスマスパーティをする前に、家の掃除をしませんか。友達を部屋に呼ぶ前に、部屋の掃除をしませんか。お正月前に、きちんと家の整理整頓をしませんか。お金にも同じことが言えます。iDeCoという新しい「備え」

「お金(に関するサービス)」を自分の財布(財産)に入れるつもりで、お金に関する大掃除や整理整頓をしておくのだと考えてみてください。

行事や来客の前に大掃除や整理整頓をして環境作りをするように、iDeCoというサービス加入前にお金について大掃除や整理整頓によって観光作りをしておきましょう。セットで、iDeCoを老後に活用するための基礎知識も簡単に覚えてしまいましょう。

1、自分の国民年金や厚生年金の加入状況を確認していますか

 

退職年齢は人によって違います。60歳で退職をする人もいれば、継続雇用を希望してさらに数年働き続ける人もいます。また、会社などに雇用されておらず、資格や特技を生かして個人事業主として年齢に関係なく仕事をする人もいます。「退職年齢」「仕事の状況」は人それぞれです。そして、正解はありません。

仕事の状況や退職が人それぞれということは、「仕事にまつわる状況」や「お金にまつわる状況」も人それぞれということです。そして、仕事の状況が異なるということは「年金の加入状況も異なる」ということに他なりません。会社に勤めている人は厚生年金に加入している可能性が高いですが、会社に勤めた経験がなくずっと個人事業主をしていた人は、基本的に厚生年金へ加入していた期間がゼロの可能性が高いです。

多くの人に「自分の年金記録を覚えていますか」と聞くと、ほとんどの人が「実はよく覚えていない」と答えます。何となく厚生年金に加入していたような、していなかったような、と、微妙な答えが返ってくることもあります。実際、自分の年金記録を詳細に覚えている人は少数派ではないでしょうか。そして、将来的に自分がどれくらいの年金をもらうことができるのかをすらすらと言える人も少数派ではないでしょうか。

iDeCoに加入しても、「将来どのくらいの年金がもらえるかわからない」では、加入後のプランニングが難しくなります。iDeCoの掛金の最低額は5千円ですが、収入状況や資産運用への考え方によって掛金を増やすことができます。また、加入直後から5千円以上の掛金でスタートすることもできます。

国民年金や厚生年金の加入状況を年金機構などでチェックして、その上で掛金を決めることも良い方法です。自分では忘れていても、付加保険料などを支払っていることもあります。全ての年金のベースになる国民年金の加入状況を確認した上でiDeCoへの加入や掛金を決めるといいでしょう。途中で掛金の額に悩んだ時も、国民年金の状況や試算が参考になります。

・手軽に年金額の確認ができる「ねんきんネット」を活用しよう!

「ねんきんネット」は日本年金機構が提供しているサービスの1つです。登録することにより、自分の年金記録をスマートフォンやパソコンで簡単に確認できる他、年金保険料の納付記録や将来的に受け取ることのできる年金額の試算などが簡単にできてしまいます。年金の納付状況に関しては「ここ、年金の納付状況を特にチェックしてください」という項目が色換えなどではっきりわかる仕様になっているなど、かなり見やすいよう工夫がなされています。

納付状況や、将来的な見込み額の他に、年金機構から発送された通知なども確認することができます。免除や特例の状況もチェックできるため、「ねんきんネット」に登録することで、年金についての確認は年金機構に足を運ぶことなく、オールインワンでできてしまうようなもの。

iDeCoへ加入する際に公的年金額のチェックや加入状況を見る時は、ねんきんネットが便利です。ねんきんネットで自分の年金情報を見ながら、iDeCoの掛金や運用を考えてみてはいかがでしょう。公的年金も自分の将来を助ける大切な老後資金源ですから、iDeCoと合わせて計画を立てたいものです。

 

2、自分の預金(普通預金・定期預金・積立預金など)の状況を把握していますか

 

iDeCoに加入する前に、自分の預金状況を確認しておくことも必要です。「iDeCo」と預金にどんな関係があるのか、なぜ預金なのかと疑問の声が挙がるかもしれません。しかし、iDeCoへ加入する上で、預金はとても重要な意味を担っているのです。預金のことは忘れてiDeCoにさっさと加入してしまうことは、リタイアメントプランニングやマネープランニング、そして「もしものこと」を考えると、お勧めできません。

「iDeCoっていいな」「自分のために早くiDeCoで年金作りをしよう」と思って契約を急がず、確認作業という名の冷却期間を置いてみてください。iDeCoに加入するなということではありません。よりiDeCoを有効活用するために、預金の確認は必要なことなのです。預金状況の確認が必要な理由は2つあります。

預金状況の確認が必要な2つの理由とは「預金が今後の生活資金のベースになるから」「iDeCoではもしもの時の出費に対応できないから」です。

・iDeCoでは急な出費に対応が難しい!だからこそ預金はしっかり把握

老後の生活資金を考える上で、預金は年金と同じくらいベースになる存在です。例えば将来的に使わなければならない費用があったとします。車を買うための資金。家の頭金。何でもいいです。ある程度、将来的に「必要だな」という資金があったとします。この資金は、どのように「保存」するでしょうか。

100万円必要で、100万円が必要な時期まで保存する場合、お財布の中に入れておくことは、まずないでしょう。家に保存する人もいるかもしれませんが、少数派ではないでしょうか。多くの方は「必要になるまで預金口座に入れておこう」という結論を出すのではないでしょうか。

将来的な資金の場合、基本的に資金プール先は預金口座を使います。老後資金は全ての日本人に必要なお金です。人によって寿命の長い短いはありますが、女性・男性問わず80年以上生きることが珍しくなくなった現在の世の中では、基本的に「老後資金は全員必要」と考えておく必要があります。そしてその主なプール先は、預金口座になるわけです。

老後まで資金プールの要になる預金口座は、公的年金やiDeCoと同じく、退職後のマネープランニングで柱になる存在です。だからこそ、「どんな金融機関に口座を持っているか」をあらためて確認しておきましょう。複数の預金口座がある場合は、必要な口座と不要な口座を選別し、必要だと判断した口座にだけ預金を集中させ、「使いやすい」「残高を把握しやすい」「手続きをしやすい」状況を作っておくと、後で預金口座の管理が面倒になりません。

預金口座のことは忘れません!預金のことくらいしっかり覚えています!

そんなふうに思うかもしれません。しかし、現実的に相続手続きにおいては、「預金口座がどこの金融機関にあるかわからない」「おばあちゃんの預金口座が死後2年でひょっこり出てきた」「そう言えば、おつき合いで口座を作ったけれど、通帳はどこにやったかな?」なんていうことがよく起こります。ですから、折に触れて使う口座と使わない口座を仕分けすることは大切なことです。口座の中身も一緒におまとめするなど、預金口座も定期的な整理整頓を目指しましょう。

iDeCoへ加入する際に預金口座を整理することは、老後資金のベース作りで重要であると同時に、自身のお金関係の契約を整理整頓する良い機会なのです。iDeCoに加入して終了ではなく、加入する前に整理整頓を済ませ、iDeCoや他サービスがスマートに活躍できる環境を整えておきましょう。

・iDeCoは急におろせない!もしもの時のお金を預金で準備

2つ目の理由としては「iDeCoは急に資金が入用でも解約が難しい」というものがあります。iDeCoでも定期預金を運用することができます。iDeCoで運用すると、金利が非課税になる等のメリットがあります。しかし、メリットがある反面、iDeCoで運用してしまうと、急場に対応できないというデメリットがあるのです。iDeCoは基本的に60歳になるまでお金を引き出すことができません。つまり、入院や葬儀など、突発的な事態に直面しても、iDeCoで積立したお金はあてにできないのです。60歳までは延々と「積み立てられて増えて行くだけの下ろせないお金」です。これは、財産を所持する側にとっては、けっこう辛いことです。

お金は「使うもの」です。そして、「いざという時に支出する」ものです。iDeCoには非課税や控除というメリットがあるため、「じゃあ定期預金や投資信託は全てiDeCoを使った方がお得では?」と思ってしまいがちですが、定期預金や投資信託用の資金を全てiDeCoの掛金に回してしまうことは、非常にリスクの高いことであることがわかります。だからこそ、「iDeCoで運用している定期預金と通常の定期預金は別物」という認識を常に持っておく必要があります。具体的には、「iDeCoの掛金を定期預金で運用しているから他に定期預金は不要」ではなく、iDeCoとは別に、急場に対応できる定期預金をきちんと用意しておくことが必要になります。

iDeCoはシニアプランニングのため。定期預金はシニアプランニングと、現在の緊急資金のため。また、車や家など、特定の目的の資金プールのため。このような感じで、iDeCoの定期預金と通常の定期預金はきちんと使い分けをすることが重要です。使い分けをするためにも、iDeCoに加入する前に、しっかりと預金の整理整頓をしておきましょう。

なお、老後資金の準備方法としては、通常の定期預金以外に「積立預金」をセットで活用する方法もあります。定期預金で一定額をプールし、積立預金でこつこつと増やす。そして、iDeCoで老後に備える。こんな感じで、いくつかの方法を併用するわけです。ただし、この場合もそれぞれのサービスを契約する前に、しっかりと口座の整理整頓をそいぇおきましょう。そうしないと、後で「何がどれだっけ?」「積立預金はどこの金融機関で申し込んだっけ?」という困った事態になることが考えられます。

 

 

3、他の資産運用方法(株や不動産活用)も検討してみましたか

 

老後の資金の要になるのは、第1に年金です。公的年金の中でも国民年金は、20歳以上の人は加入しています。国民年金保険料を支払っていたか、特例や免除の手続きをきちんとしていたか等によって年金額が変わってきます。状況によって年金額が変動しますが、基本的に全員加入という性質があるため、老後のお金を考える場合、第1に「国民年金があるでしょ」という話になります。

公的年金は老後の備えの代表格ですが、個人で運用するわけではなく、国の施策として運用されるといった側面が強いため「どんどん増やそう」と思っても、個人の意見が取り入れられることはありません。キープしようと考えても、同じく個人の意見が通じることはありません。そして何より、運用で成果が出たとしても、成果がダイレクトに年金額に反映されることはありません。公的年金は「もらえるけれど少ない」「もらえるけれど、増えることはほとんどない」老後のためのお金です。

国民年金をベースにして「厚生年金は?」「企業型確定拠出年金は?」「iDeCoはやっていた?」という話になります。厚生年金も自分自身で運用指示を出すわけではなく、厚生年金を預かる団体などが、お金を集めて管理します。対して企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)は、運用する金融商品を自分自身で考え、運用指示を出します。運用できる金融商品には投資信託や定期預金、保険などがあります。これらの金融商品に自分で掛金を振り分け、運用するのが確定拠出年金の特徴です。

確定拠出年金は国民年金などの公的年金と異なり、運用成果が受取額に反映されます。ですから、国民年金などの公的年金よりも投資に近いという性質があります。しかし利益だけを求めるわけではなく、60歳になるまでひきだせない老後資金準備のためのサービスという側面もあるため、完全に投資というわけでもありません。掛金額の制約もあるため、「増やすために自分で色々プランを立てられるか」と言えば、iDeCoは投資が主目的ではないから、自分で株や投資信託、不動産投資をするより、運用の範囲は狭まると答えるしかありません。

預金でお金を守り、プールする。公的年金を柱に、自分で運用できるiDeCoで老後資金アップを目指す。さらに老後資金を増やす(育てる)ため、他金融商品へと投資も検討する必要はあります。

・資産運用の方法の中にはiDeCoでは難しい方法も!iDeCoとセットで活用を

iDeCoでも運用指示は出せます。つまり、金融商品への投資する感覚や、自分自身で運用している感覚を味わうことはできます。しかし、iDeCoはあくまで「投資でどんどん増やそう」が目的ではなく、「60歳からの老後資金を準備しよう」が目的の制度です。ですから、株などを単品で運用するほど値動きをチェックし、リターンをどんどん自分から出していこうという、さらに投資を増やそう、という投資とはちょっと違います。

何より違うのは、iDeCoでは金融機関側がiDeCo用にセレクトした金融商品の中からしか運用を選べないというところです。自分で投資をするなら、自分で自由に方法を決めることができます。しかし、iDeCoでは、できないという一種の制限があります。前述したように、iDeCoには老後資金の作出という大きな目的があるからです。

公的年金は額が決まっている(改訂されることはありますが)。iDeCoは運用指示を出せるが、運用できる金融商品には金融機関が選んだものという制限があるため、自分で投資するように、多種多様の方法でどんどん増やすことができない。さらに、預金は守りプールするという性質が強く金利も低いため、預金は増やすために活用する方法としては適切ではない。だからこそ、iDeCoに加入すると共に、セットで活用できる色々な資産運用の方法に目を向けてみてください。

iDeCoにちょっと足りない「増やす」というポイントを各種の運用方法を併用することで付け加えるのです。それによってiDeCoとタッグを組んだ各種資産運用方法が、老後のマネープランニングにさらに幅を持たせると共に、よりiDeCoを活躍しやすくフォローしてくれることでしょう。

具体的には「株投資」「不動産投資」「債券投資」「投資信託への投資」などが考えられます。投資信託などはiDeCoでも運用できますが、iDeCoという契約外でする運用は預金と同じように「iDeCoとは別物」と考えて検討してみてください。

特に個別株への投資は、iDeCoでは対象外という状況です。不動産を他人に貸し付けて家賃収入を得るなどの不動産投資も、基本的に対象外です(1部の投資信託に不動産が含まれていることがあるため完全に不動産投資そのものが対象外というわけではないですが)。iDeCoではできない運用方法は、iDeCoへ加入を決めた時にiDeCoとセットで使うことを検討することも、老後の生活費設計のためには重要なことです。

 

 

・資産運用の強い味方「NISA」で口座開設を!iDeCoとダブルで活用を

iDeCoで定期預金や投資信託を運用すると、金利などの利益が非課税になります。たまに「え、定期預金の金利って課税されていたのですか?払った記憶がないです。これって脱税になりますか?」と心配される方がいます。ご安心ください。口座に利息が入る時点で、既に定期預金の金利分の税金は引かれています。つまり、税引き後の利息が入金されているわけです。

株や投資信託の場合、口座の形態によっては自分で確定申告をし、税金の手続きをする必要があります。しかし、株や投資信託の場合も、自動天引き口座(源泉徴収口座)があります。この税金を自動天引きしてくれる口座を利用している場合、特に何もしなくても税金をきっちり納めていることになりますので、ご安心ください。

ただ、ここで問題になるのが、資産運用のために投資信託や株、預金などを活用して利息や譲渡益などの利益がでると、課税対象になってしまうということです。iDeCoの場合非課税になるので、税金面から見た「iDeCoでの運用」と「iDeCo外での運用」では、やはりiDeCoの方に軍配が上がります。

ただし、NISA口座を活用すれば、この限りではありません。NISAとは、「全ての金融機関の中でここぞと決めた金融機関1つだけに作ることのできるNISA口座内で条件を満たした取引をした場合、一定額まで非課税になる」という制度です。2018年4月21日現在、「毎年120万円までの株式や投資信託の譲渡益・配当が非課税になる」という「NISA」、「年間40万円までの積立タイプの運用商品に使うことができる」タイプの「つみたてNISA」などがあります。

iDeCoで老後のために積立をしつつ、NISAもセットで使って、非課税枠で運用をしてさらに老後に備える。iDeCoとNISAを比較して決めるのではなく、ダブルで活用するのもお勧めです。

 

 

4、自分の収支を断捨離しておく(収入と支出の見直し)

 

iDeCoにも加入したし、公的年金もある。資産運用や預金も見直しして、お金を増やすことを頑張っている。だから老後設計は安心。・・・と思うことは危険です。

「備えあれば憂いなし」と言いますが、備えだけしていても、財布の紐をしっかり締めておかないと、憂いはなくなるどころか、増します。iDeCoへの加入と同時に、お金が活躍できる環境作りのためにも、自分の収支状態を見直ししておく必要があります。収支の見直しをすることにより、将来的な憂いは減ります。また、現在進行形の(お金の)憂いも減りますし、上手く収支の見直しができた場合は、備え部分をより強化することもできます。

多くの人は、収入を示す書類より、支出を示す書類の方が多く手許にあるのではないでしょうか。例えば、収入を示す書類が給与明細だったとします。1社にしか勤めていなければ、給与明細は基本的に月に1枚という感じではないでしょうか。給与明細には保険料などの天引き分も記載されていますので、収入を示す書類であると同時に、一種の支出を示す書類でもあるわけです。支出の場合、他にも日常の買い物の中でレシートや領収書がたくさん溜まるはずです。生活をするためには定期的に買い物をすることになるでしょうから、収入の書類より、レシートなどの支出の書類がどんどん溜まるのは、仕方のないことだと言えます。

レシートが溜まると邪魔になります。お財布の中にレシートを入れていて、ある程度溜まったら、まとめてゴミ箱に捨ててしまいます。確かにレシートでごちゃごちゃしているのは嫌ですが、そのまま捨ててしまうにはもったいないのがレシートです。レシートや領収書には「自分の支出」がしっかり刻まれています。だからこそ、将来資金や目的意識を持って貯めるお金について対策する場合は、真っ先に支出の記録であるレシートや領収書と向き合うことになります。

クレジットカードの明細やレシート、領収書などは捨ててしまう前にきちんと1度チェックして、「やってしまった」「この支出は不要だった」と、支出の1人反省会をしてみてはいかがでしょう。普段から無駄使いをしてしまい、後からレシートなどを見て悔やむ方は、お小遣いの他に月あたりの「買い食い用金額」「無駄遣い資金」を別財布に用意するなど、支出について工夫してみてはいかがでしょうか。

支出を見直すことによって、老後の備えがさらに強化され、iDeCoに加入する際もさらに幅広いサービスの活用ができるようになります。

・レシートやクレジットカード明細をチェック!iDeCoの掛金アップを狙え

例えば、毎月1万円をコンビニのお菓子で無駄遣いしてしまっていたとします。確かに最近のコンビニのお菓子は美味しいですが、見かける度にふらふらと買い食いしていては、出費がかさむだけです。また、お財布に入れていた必要なお金を「しまった、お菓子を買ってしまったのだった」といううっかりで支出しないためにも、支出の中でも「絶対に必要な支出を無理して削る」のではなく、「ここはちょっと支出が多くなってしまった。また今月もやらかしてしまった」という支出を見直すことが大切です。

見直しにより「よし、お菓子は毎月5千円まで」と決めたら、その5千円をiDeCoの掛金に上乗せしてみてはいかがでしょう。あるいは、これからiDeCoに加入するなら、削減できる5千円を最初から掛金の予算に組み込んでしまってはいかがでしょうか。使ってしまうくらいならiDeCoの掛金に組み込んで、将来的な資金にしてしまおうという考え方です。支出の中の不要部分を削って、そのうちのいくらかをどんどん「60歳まで基本的に下ろせない」iDeCoの掛金にしてしまうのです。そうすることにより、将来的な備えも、憂いも軽減することができます。現在の「また無駄遣いしてしまった」という憂いだって軽減することができます。

収支の見直しはiDeCoの加入前にも行い、加入してからも定期的に行いましょう。そして「もっと備えに使える無駄な出費はないかな」「この前の無駄な出費分は備えに回したから、今回は余計な出費を削って、その分を週末の友人とのランチ代にしてしまおう」と、お金の使い道を積極的に考えてゆくことが重要です。iDeCoに活躍してもらうことも大切ですが、今あるお金に「より輝いてもらうこと」も、とても大切なことではないでしょうか。

 

5、契約書類や目論見書の整理整頓をする

 

お金の関するサービスの契約書やパンフレット、目論見書や約款をきちんと整理しておくことも重要なことです。最近の重要書類の中には、電子データとして確認できるものもありますので、合わせて「ここに置いておく」「ここを見ればわかる」と、すぐに確認できる状況にしておかなければ、いざという時に肝心のサービスがまったく使えなかったということになりかねません。

月ごと、日付ごと、時間は秒単位。ここまで細かく仕訳しておく必要はありませんので(できるに越したことはありませんが・・・)、せめて「どのサービスの契約書がどこにあるか」「サービスを使う時に必要な書類や約款を一カ所にまとめておく」「必要な時にすぐ取り出せるようにしておく」ようにしましょう。

サービスを無意味にしない。これはとても大切なことです。iDeCoに加入しても、加入時の契約書や運用状況の書類や各種パンフレットなどがどこにあるかわからないと、ちょっとした時に確認できません。お金は掛金として管理されますが、契約書やパンフレットまで管理してもらうことはできません。重要な書類はしっかりと自分で責任をもって「整理整頓」「管理」「まとめておく」ようにしましょう。

 

・保険に加入していたような「気がする」で保険金請求できず!iDeCoも気をつけて

重要書類の管理ができていないと、時にお金ですごく損をすることがあります。例えば、保険に加入していたとします。しかし、毎月のように保険料が引き落とされているのにも関わらず、一体どんな保障内容の保険に加入したのか、よくわかりません。入院時に保険金を請求できたような気がするのですが、どんな保険だったか覚えていなかったため、検索して調べようがないのです。「そこまで忘れてしまうことって、ありますか」と思うかもしれませんが、実際に保険や金融商品の詳細まで全て把握し、常に名前からサービス内容までばっちり把握しているという人の方が少数派ではないでしょうか。

「いやいや、そこまでは・・・」と思うかもしれませんが、では、「身近な保障である年金について説明してください、加入状況はどうですか」「会社の福利厚生はどうなっています」と言うと、多くの人は「ふわっとしかわかりません」と肩をすくめることになるはずです。いざという時の備えとして色々なサービスに加入しても、サービスの表層を覚えているくらいで、細かいところはあまり覚えていないことは、決して珍しいことではありません。それに、別にサービス内容を詳細まで暗記しておく必要もありません。

加入しているサービスの名前さえ覚えていて、どこに契約書やパンフレットをまとめていたかさえ覚えていれば「これは確か保険金請求できたはず」「確かサービスの対象になったはず」をすぐに確認することができます。つまり、「確認できる状況にしておけば、詳細まで暗記しておく必要がない」のです。ただ、資料も契約書もどこにあるかわからない、サービスの名前さえわからない、という状況だと、調べることや資料を探すこと自体が面倒になってしまい、保険金の請求などを放棄してしまうことに繋がります。保険料などのサービスに必要な料金だけ払って、サービスは受けない。これは、大きな損失です。

iDeCoに加入すると、さらに書類が増えます。ですから、iDeCoに加入する前に、しっかりと、保険や資産運用の資料を整理し、まとめて置く場所を決めてみてはいかがでしょう。そして、何時でも見返すことのできる状態を作ってみてはいかがでしょう。iDeCoでは掛金を色々な金融商品で運用します。運用の指示や、金融商品ごとの掛金の割合も自分で決めます。細かな金融商品やiDeCoの手続き全てを暗記しておくことは難しいので、「整理整頓してまとめておき見返すことができる状況」を保つことは、iDeCoで老後資金のプランニングをする上でも役に立つはずです。

 

■最後に

 

iDeCoが最大限力を発揮するためには、お金が活躍できるフィールドを整えておくことが大切です。

「お金が活躍できる環境」というと大事のような気がしますが、そんなに難しいことではありません。シニアプランニングにおいても重要な5つの基礎知識である「自分の国民年金や厚生年金の加入状況を確認する」「自分の預金(普通預金・定期預金・積立預金など)の状況を把握しておく」「他の資産運用方法(株や不動産活用)も検討してよく考える」「自分の収支を断捨離しておく(収入と支出の見直しをする)」「契約書類や目論見書の整理整頓をする」をしっかり把握し、実践すること。そして、日常の中でちょっとだけ気をつけておくだけでいいのです。iDeCoをきっかけに、お金への考え方や興味を、少しずつステップアップさせるつもりで日々を過ごしてみてはいかがでしょう。

優れた選手でも、環境が整っていないと力を発揮することが難しくなります。綺麗な花も、土壌を整えなければ、美しく咲く前に枯れてしまうかもしれません。iDeCoなどの制度も同じです。老後生活を不安定にせず、なるべく自分の希望に添った生活を送ることがっできるように、iDeCo加入前に、マネープランニングの基礎をしっかりおさえておきましょう。それからiDeCoに加入し、よりよい将来に備えることを考えてみてはいかがでしょうか。

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